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的な渋滞路線となっています。このため神奈川県警の協力を得て、駅周辺のバス交通の円滑化を図るため、環状4号線の中央走行車線にバス専用レーンを設置し、昨年より供用しています。一般的には外側車線にバスレーンを設けますが、駅前広場との位置関係で中央レーンをバス専用レーンにしています。この施策をより効果的なものとするため、バス専用レーンをカラー舗装したり、4か所に大型案内板を設置しました。この効果として若葉台団地から十日市場駅までのバスの所要時間は大幅に短縮され、定時性も従来に比べ非常に向上しています。バスの輸送人員についても対策実施後の3か月間の月平均輸送人員が月当り5千人の増加ということで増加しています。バス事業者の方でも増便による輸送サービスの向上を図っており、マイカー交通の削減に効果を発揮しています。
次は、保土ヶ谷区における道路が狭隘な地域に対する小型バスの導入と道路整備等を併せて行った路線新設の例です。従来、バスが通っていなかったところに入れた例です。保土ヶ谷区の新桜丘周辺の地区は、JR東海道線と相模鉄道に挟まれた丘陵地で地域の中央に保土ヶ谷バイパスと横浜新道のインターチェンジがあり、高速道路によって地域が分断されています。地域内の道路は未整備であり、スプロール減少も見られ、道路が狭くバス路線もない交通の不便な地域といえます。このため市の交通局では、狭隘な道路に対応した長さ7m、幅2m、定員37名の小型バスを導入し、当該地区から星川、保土ヶ谷の2駅へのバスの運行を開始しました。この路線の新設により駅までのアクセスが15分となり、利便性が向上しています。この路線の1日平均利用客は1,300人となっています。また新桜丘の住民からは区役所のある星川駅や区役所までのバス路線新設の要望がありましたが、この間を連絡する道路がないためバス路線の設置が困難でした。しかし、この地域では横浜新道を4車線から6車線に広げるという拡幅事業があり、環境対策として高速道路の環境施設帯とこの側道を活用し、新たにバス路線を設けました。地元住民からも側道の新設に併せたバス路線の要望が非常に多く、それに応え、道路管理者等と協議し、この路線を設けました。高速道路沿いのバス路線の例ですが、バス路線を新設するためには、横浜新道の環境施設帯の中にバス路線を設置し、星川駅前の道路拡幅や周辺道路の違法駐車対策を行うなどバス路線の走行環境を整備し、相模鉄道がこのバス路線を新設しました。
最後の例として、地元住民と行政が一体となってバス路線の新設に向けて取り組んだ緑区睦川地区の事例を紹介します。当地区の概況は、地形的に谷部に幹線道路があり、その周辺の丘陵部が住宅となっています。この地区では地元住民の高齢化が進展しており、バスが通る下の県道のバス停まで15分かかるというような距離にあり、非常に不便な地区となっています。また、勾配も急であるため地元から長年路線バスの新設要望もありました。これについて、バス事業者である神奈川中央交通と調整しながら、道路局・警察等が協力し、幅員狭隘な箇所を拡幅し、電柱の移設、バス待機スペースの整備等の道路環境整備を実施するとともに、地元でもバス路線を新設するために沿線住民4,500人の署名を集め様々な陳情を行っていましたが、地元の方も支援行動を行おうとバスを通すため迷惑駐車追放キャンペーンの住民決起集会を行うなど積極的に協力しました。結果として30数年間に亘り要望を続けてきた路線が実現したわけです。開通にあたり地元住民が集まり、地元主催のセレモニーも行いました。

 

 

 

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